2009年12月10日

組曲「展覧会の絵」

筑紫野市吹奏楽団 第30回定期演奏会~ロシア音楽をあなたに!!~
2009年12月20日(日) 13:30開場 14:00開演
筑紫野市文化会館 入場料500円(小学生以下無料)

今回の演奏会のメインの曲はムソルグスキー作曲の組曲「展覧会の絵」です。
今までは曲の一部を演奏したことはありますが、全曲を演奏するのは初めてのことではないかと思います。

モデスト・ペトロヴィチ・ムソルグスキーは1839年にロシアのサンクトペテルブルクで生まれた作曲家です。

今回演奏する組曲「展覧会の絵」はムソルグスキーの代表曲と言っても過言ではないでしょう。
この曲は作曲者であるムソルグスキーが友人の画家ヴィクトル・ハルトマンの遺作展を見て、その中から10枚の絵を音楽にしたためたものです。
単に曲が進んでいくというわけではなく、「プロムナード」という前奏曲、間奏曲を5回ほどくり返して曲が進んでいくという構成になっております。
「プロムナード」は絵から絵への移動、もしくは休憩と捉えることができるでしょう。
プロムナードとは曲の合間に入ってくるメロディーでこれをご覧の皆さんも一度は耳にされたことがあるのではないかと思います。

この組曲「展覧会の絵」は元々はピアノ曲として作曲されたものでした。
それを様々な作曲家や音楽家が管弦楽やシンセサイザーなどに編曲しています。
その中で一番有名でよく演奏されるのはフランスの作曲家ラヴェルが編曲したものです。
これは筆者の私見ですが、ピアノ版を聴いたあとにオーケストラ版を聴くとラヴェルの編曲のうまさ、オーケストレーションの巧妙さがよく分かるような気がします。
まぁ、他の編曲版は聴いたことないのですが・・・face07

この組曲「展覧会の絵」を吹奏楽バージョンで30回定期演奏会ではお送りいたします。
当団の音楽監督坂本文郎が吹奏楽にアレンジしております。
もちろん吹奏楽版にアレンジされたものはいくつも出ておりますが、そこが筑吹のこだわりでラヴェルが編曲したものをそのままアレンジするのではなく、ピアノ版からアレンジをしております。

これはどういうことかというと、基本の曲のアレンジはラヴェル編曲のものではありますが、ラヴェルがオーケストラ版に編曲する際にオーケストラが演奏しやすいように編曲されたところが数カ所あります。
それをピアノ原点版に近い形での編曲をしております。
またラヴェルが編曲しなかった第5プロムナードを坂本がアレンジし、今回の演奏会でお送りいたします。
何故ラヴェルが第5プロムナードを編曲しなかったのかはっきりとした理由は分かりませんが、第1プロムナードと演奏法がにているからではと言う説もあります。

★曲の詳細
第1プロムナード
絵と絵の間を歩く様子を描写した曲。それぞれの絵を見る時の気分を表わしているとも言えます。
1.こびと
原語ではグノムス(Gnomus)といいます。これは,地底の宝を守る神のことです。この曲は,その奇妙な足取りとグロテスクな雰囲気を描写しています。
第2プロムナード
冒頭のものよりも,優しい表情で表れます。
2.古城
中世の古城の前で,吟遊詩人が歌う情景を描いています。
第3プロムナードメロディが中断された形で次の曲に移って行きます。
3.テュイルリーの庭
パリの中心部にある公園の名前です。この公演に集まる子供たちの可愛らしい口論の様子を描いています。
4.ビドロ(牛)
ここでは前の曲との間にプロムナードは入りません。隣の絵なのでしょうか?ビドロというのはポーランド語で「牛の集団」という意味です。牛が大きな荷車を引っ張るような情景です。
第4プロムナード
優しい表情で演奏されます。次の曲の前奏のような位置付けになっています。
5.殻をつけたひよこのバレエ
ひよこの鳴き声とチョコチョコ動く様子を音の動きで描写しています。
6.サミュエル・ゴールデンベルクとシュムイレ
金持ちで傲慢なゴールデンベルクと貧しく卑屈なシュムイレの会話を描写しています。
第5プロムナード
これがラヴェルが編曲しなかったプロムナード。このプロムナードをお送りします。最初のプロムナードと同じ速さです。
7.リモージュ(市場)
リモージュというのはフランス中部の町の名前です。その町の市場の賑わいを描いています。市場に集まる女性たちのおしゃべりを聞くような雰囲気で曲は始まります。
8.カタコンブ(ローマ時代の墓)
カタコンブというのは古代ローマ時代,キリスト教信者が葬られた墓です。不気味な雰囲気が表現されています。続いて,「死せる言葉による死者への話しかけ」という不気味なタイトルを持つ部分に移ってきます。
9.鶏の足の上の小屋
この曲は「バーバ・ヤガーの小屋」とも呼ばれますが,スラヴの伝説に出てくるバーバ・ヤガーという妖婆の小屋のイメージを描いています。
10.キエフの大門
キエフに造られることになった大きな門の設計図からイメージを得て作られた曲です。その名のとおり,威厳のある雰囲気の曲です。

最後の「キエフの大門」は現在テレビ朝日で放映中の「ナニコレ珍百景」で珍百景にどんどん近づいてその珍百景が見えたときに使われています。
恐らく最後には「これか!!」と思う方も少なくないと思います。

今回の演奏会では筑紫野市立原田小学校の学童保育の皆さんに夏休みに実際に展覧会の絵を聴いていただいてそれからイメージするものを絵にしてもらった物を展示します。
また演奏会でもムソルグスキーが見た絵についても解説をする予定です。

演奏会まであと10日、団員のボルテージも上がってきています。
たくさんの方のご来場を団員一同心よりお待ちいたしております。
絶対に損はさせません!

筆者 チューバ シモ





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Posted by 筑紫野市吹奏楽団 at 14:30│Comments(0)曲目紹介
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